<僕たちの日本名?> 夏のある日、2人の中年男性が店の奥の座敷で酒を飲みつつ談笑していた。 こんな光景は日常茶飯事だから普段なら気にも留めにゃいんだけれど、思わず聞き耳を立ててしまったのは、その話題が僕とマロンのこと、しかもかなり意味深な内容だったからなんだ。 2人のことは知っている。...
<往きはよいよい帰りは...> たとえば、奥の座敷の窓ガラス越しに外をじっと見つめていたとする、すると人間家族がガラス戸をサッと開けてくれる...。また、お客さんが店を出ていくとき、ドアが開いたその隙にちょいと外に出る...。アウンの呼吸じゃないけれど、これが大体の僕たちの外出の方法さ。...
<僕とマロンは看板猫> 僕とマロンは兄弟。ネコは一度に何匹も子供を産むから、誰が上ってことはニャイ、おっと、ない。 住まいは下町の中華屋さん「楽楽」ってところ。いつの頃からか、僕らはそこの看板猫ってことになっている。 看板猫といっても店番とか福寄せみたいな、何か特別な仕事をしているわけじゃない。...
<今年もあけまして...ネコ年> 人間が決めた干支なるものによると、今年はイヌ年らしいが…干支には何故かネコ年が無い! 干支を決める時、ネズミに騙されて「干支レース」のゴールに間に合わなかったからなんだって。 その時の恨みつらみでネコはネズミを追い回す…。 他人事みたいないい方だけど...